複数のAI開発プロジェクトを見渡すためのAgent Workbenchをearly dogfood公開しました
Claude CodeやCodexなどを使って開発していると、プロジェクトが一つだけのときはあまり気にならなかった問題に出会います。
複数のプロジェクトを並行して進めるようになると、
- 今どのプロジェクトを進めるべきか
- 各プロジェクトがどんな状態なのか
- 前回どこまで作業したのか
- 次に何をする予定だったのか
- 再開時にAIへどのコンテキストを渡せばよいか
を、プロジェクトごとに確認する必要が出てきます。
個々のAI coding agentにはsessionやtaskを実行する機能があります。しかし、その前段にある「複数プロジェクト全体を見て、次に何を進めるか判断し、必要なコンテキストを整えて作業を再開する」という問題は別のものです。
私自身、AIを使ったsoftware projectをいくつも並行して扱う中で、この部分を毎回手作業で確認していました。そこで、複数プロジェクトをまとめて見るためのlocal workbenchとして、Agent Workbenchを作りました。
Agent Workbenchは、AI coding agentそのものではありません。agentを起動する前に、プロジェクト全体の状態を確認し、次に扱う対象を判断して、再開に必要な情報をまとめるためのportfolio operation layerです。言い換えると、複数プロジェクトを横断して状態と次の作業を整理するための作業台です。
現在は、設定したproject rootをスキャンして、各プロジェクトのoverviewを表示できます。Gitの状態、branch、最新commit、READMEやPROGRESS.mdの情報、手動で設定したstatusなどをプロジェクト単位で確認できます。
画面には、プロジェクト横断の注意点をまとめる「Project Signals」と、次の対応を整理する「Action Queue」があります。Action Queueは、今対応する「Now」、継続して観測する「Watching」、外部イベントや確認日を待つ「Waiting」に分かれます。
プロジェクトの詳細画面では、現在の状態に加えて、saved contextを確認・保存できます。保存したコンテキストには鮮度の表示もあり、現在のGit状態と一致しているか、古くなっている可能性があるかを確認できます。
また、「Copy AI Handoff」を使うと、Gitの状態、プロジェクトのsignals、saved context、next actionなどを、AI coding agentへ渡しやすいMarkdownとしてコピーできます。AI APIとの直接連携ではなく、必要な情報を確認してから自分で会話へ貼り付ける方式です。
今回は、これまで自分用として使ってきたtoolを、外部のdeveloperにも試してもらえるようにした段階です。まだ万人向けのsetup wizardを備えた完成productではありません。Node.jsとGitを用意し、READMEを見ながら自分のproject rootを設定して使うtechnical toolです。localhostで動作するため、npm installや設定ファイルの編集に抵抗がない方向けです。
最小構成では、GitHubから取得して依存関係をインストールし、config/roots.example.jsonをconfig/roots.local.jsonとしてコピーします。自分の環境に合わせてproject rootを設定したら、npm startで起動し、ブラウザからlocalhostの画面を開きます。
この問題が自分だけのものなのか、同じように複数のAI-assisted software projectを扱うdeveloperにも役立つのかを確認したくて、early dogfoodとして公開しました。
なお、Agent WorkbenchはPolyForm Noncommercial License 1.0.0で公開しています。source-availableですが、現在のライセンス条件ではcommercial useは許可されていません。
同じような問題があり、READMEを見て使えそうであれば、よければ試してみてください。
GitHub: https://github.com/iwadjp/agent-workbench
実際に使ってみて、役立った部分や詰まった部分があれば、1〜3行程度でもIssue #1へ教えてもらえると助かります。
Feedback: https://github.com/iwadjp/agent-workbench/issues/1